ギークな外科医のブログ

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Mobileyeの自動生成HDマップシステム: REM (Road Experience Management)

Mobileye社がREMについて新しいスライドを公開しているので、少し解説します。

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その前に一度下の記事を御覧ください。

 

techdr.hatenablog.com

 

 

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来る自動運転社会において、高精度マップの重要性は増すと考えられます。勿論、我々人間は未知の道路でもその場の判断で運転出来ますが、毎日通勤する道路は楽に運転できるのはその道路の特徴や注意点が頭に入っているからであって、そういう点では協力な自動運転AIが完成したとしても、そのAIにさらに最新の道路情報や危険情報等を与えることで、人間を遥かに超える安全で快適なモビリティ社会が到来することが予想されます。

 

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旧来は、LiDARを使用した、道路情報を集めるための専用の車両を用意して高精度マップに必要な情報を収集するという手段が取られていましたが、非常にコストがかかる上に、限られた車両ですべての道路を網羅するのが困難であったり、また、更新頻度が低いため、年10%と言われる道路の変化に対応できない、などの問題点がありました。

 

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Mobileye社は、この問題を克服すべく、車両に搭載されたカメラからの画像情報のみで、HDmapを自動生成するシステムを開発しました。この様に車両の前方カメラの情報だけでも、道路端や車線、車線中央の適切走行ラインだけでなく、車速規制情報等の看板も認識しています。

 

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このMobileye REMの特徴は、すべてがドライバーや専用のスタッフを必要とせずに、自動的に処理され、クラウドサーバーにアップロードされ、リアルタイムに更新され続けるというところにあります。さらに、すでにこのREMシステムが稼働しているMobileyeのEyeQ4チップ以降を搭載したADASシステムは世界中の道路で一般車両として走行しています。

 

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Mobileye 8 connectという、後付けADASシステムも稼働しており、こちらは、後付けなので、車両制御は行わず、単純に危険警告のみのシステムですが、バックグラウンドでは先程のREMシステムが稼働しており、常に道路情報をクラウドサーバーに匿名化してアップロードしています。新車でない、こういったレトロフィットのシステムでも高精度マップを生成できるのがMobileye社の強みです。

 

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現在、世界地図でみると、欧米や日本等の道路情報の取得が完了していることがわかります。

 

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例えば、すでに日本で走行している一般車両のMobileye社ADASシステムからの情報で、日本の高速道路に限って言えば24時間あれば高精度マップを自動生成できるとのこと。それくらい、すでにMobileyeのシステムが稼働しているということです。

現在有名なのはBMWNissanですね。

 

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 REMが集めた情報はGoogle Mapのような、低精度のマップの上に統合されていきます。

 

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さらに、車両の走行速度や、周囲にどれくらい歩行者がいるか、等の情報もわかるので、リアルタイムに集まるので、流れが早く歩行者の多いエリアは車両の速度を落としてより安全に配慮したモードに変更するなど、様々に活用できます。

 

 

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サイクリストの多いエリアなどもわかります。さらに自転車専用レーンがあるかどうか、サイクリストがはみ出して来やすいかどうか、などなど。

 

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道路の痛みや、電線や電灯の位置、工事の情報、水たまり等の情報など、道路資産に関しても常に収集でき、こういった情報は例えば道路管理や道路行政、インフラ行政などに活用することも可能です。

 

 

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いかがでしょうか。知れば知るほど魅力が出てくるMobileyeのRoad Experience Managementです。

現在はBMWNissanの最新モデルにはEyeQ4チップ+3眼カメラが搭載され、REMシステムと合わせることで高速道路でのハンズオフ走行を実現しています。(BMWは現在は渋滞時のみ)

他に三菱やマツダも元々Mobileyeのシステムを採用しているので、2020年発売のモデルからは、最低でもEyeQ4+3眼カメラの搭載はしてほしいなと感じます。更にいうと、すでにMobileyeの主軸はEyeQ5+360°のcomputer visionシステムに移っており、2021年以降は最低でも8個程度のカメラ(前方3眼+みぎ前方+みぎ後方+ひだり前方+ひだり後方+後方)とEyeQ5の搭載は必須にしてほしいなと思います。そしてソフトウェア・アップデートで順次Level 2+のADASを解禁すればいいと思います。

とくにMazdaには期待したいな。。。

 

 

※追記

5Gが必要などとデマを流すメディアも多いですが、このREMは年間でも1車両あたり1GB以下の通信しか必要としないため、4G(LTE)の車載通信モジュールで実は十分です。